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彩遊記

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私的記憶整理・ダビンチ・コード1

私的記憶整理・ダビンチ・コード1_f0084105_1073985.jpg久しぶりに、桂林三里店周辺で暮らす日本人たちと学校裏の屋台で串焼きをつまみながらビールをのんだ。

日本人同志が異国であつまると大抵は“ここがへんだよ中国人”の話題になるのだが、今回は映画やNHK大河ドラマの話題になった。

彼が言うには、外地にいると日本に滞在している以上に本をよんだり、ビデオを鑑賞するという。一理ある。ぼくも、大河ドラマの新撰組を金曜の夜から、月曜のあさまで延々と見続けたことがある。話題作はたいていは桂林で手に入る。ベストセラー本も最新話題作であれば、日本人のだれかがもっている。

中国のネット上では日本のドラマが2、3日すると中国語字幕付でダウンロードできる。もちろん違法だ。でも世界はそんな時代だ。

いま手元にはダビンチコードの文庫本とDVDがある。DVDは中国語字幕。達分奇密馬(※分は草冠をつける・馬は石偏をつける)と書く。

さておき、ダビンチコードのことである。キリスト教に詳しくないと理解しにくいかも知れない。
ただ、世界中でダビンチコードブームが起きているってことは、意外とそうでないのかも知れない

話はシオン修道会、オブズ・ディなど陰謀論の好きな人が聞いたら喜びそうなところからはじまる。ぼくは、一時期、世の中のしくみを徹底的?に調べたことがあった。

宗教の世の中を動かす力は大きい。どうしてもはずせないパワーだ。その宗教の奥に渦巻くのはフリーメイソンやイルミナルティなど宗教の裏にある陰謀論っぽい事象にぶち当たる。
宇野正美のユダヤがわかると世界が見えるにはじまり、広瀬隆の“赤い盾”と闊歩した。

ダビンチコードは久しぶりの西洋系裏社会の話である。とびらを開くと、この小説における芸術作品、建築物は、・・・は、すべて事実にものづいている。という記述から小説が始まるのだが、
この一行で読者は、すっかり作家ダンブラウンの手中にはまってしまう。この記述からすでに小説は、はじまっているのだ。

舞台はフランス、ルーブル美術館。その館長が殺されそこに残された、そこに残された暗号から物語は展開する。

死体はウィトロウィウス的人体図のように両手両足を広げ、胸には五ボウ星が描かれ、床にはフィボナッチ数列が描かれていた

これらは、みな美術史の研究上欠かせないひとつの概念で結びついている。黄金比だ。

黄金比をくわしく説明すると植物や動物、さまざまなものの比率が不気味なほどの正確さで1.618対1に迫っている。

ミツバチの群れにおけるオスとメスの固体数の関係。植私的記憶整理・ダビンチ・コード1_f0084105_1011527.jpg物の茎に葉がつく配列。昆虫のからだの分節。古代ローマの建築家マルクス・ウィトロウィウスは、その著書「建築論」のなかで、神聖比率を賛美している。ギリシャのパルテノン神殿。エジプトのピラミッド。ニューヨークの国連ビルなどだ。

ダビンチは人体の精密な構造をだれよりもよく理解していた。実際に死体を掘り出して骨格を正確に測定したこともある。あたまのてっぺんから床までの長さと、へそから床までの長さを割ると、それは神聖比率である黄金比、1.168になる。肩から指先までの長さをはかり、それを肘から指先までの長さで割る。黄金比だ。

腰から床までの長さを膝から床までも長さで割る、これも黄金比。手の指、足の指、背骨の区切れ目、黄金比、黄金比。五本の線を交差させて、頂点が五つある星型を描く。五線星型の出来上がる線分同士の比率も黄金比。
※なお、コピー用紙などの紙のサイズにつかわれるA列、B列サイズの縦横比、√2は白銀比と呼ばれる。

その謎解きから、犯人逮捕まで、暗号解読官ソフィーとハーバードの宗教象徴学のロバート・ラングドンが挑んでいくストーリーだ。

映画のほうは、ストーリーの結末がちょっといただけない。

あれれ、映画紹介の如きブログの結末だが、
黄金比から始まるストーリーは、おぼろげながら知ってはいたものの、モノに潜む規則性の単語を再確認する契機になったので、ヨシとしよう!。
by ogawakeiichi | 2006-10-31 10:14 | 西洋史&思想
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