ブログトップ

彩遊記

ogawakeiic.exblog.jp

互酬性

f0084105_16523943.jpg文化人類学者モースやポランニーの思想にはしばしば「互酬性」という用語が出てくる。このコンセプトは現代思想で大流行した。

「互酬性」とは、贈与慣行の義務的性格に着目してつくられた分析概念で.個人ないし集団間で、受けた贈り物などに対し、義務として非等価の贈与を行うこと。

つまり、お互いの物品や役務などの交換だ。 日本では「お返し」や「結(ゆい)」と呼ばれる行為もそれにあたる。ものを与えたり受けとったりすることは一つの社会関係に入りこむメソッドであり、「互酬性」とはここに働く原理のことだ。

受け取った側は相応の返済が期待されるが、親しい間柄ではお返しはすぐでなくてよいとされ、あまり親しくない場合は定まった期間内での返済が期待させる。近頃はこの暗黙の了解もあやしくなったが。。

互酬性が破られる。つまり期待された期間内に返済がなされぬ場合、与えられた側と受け取った側とのあいだには社会的地位の上下関係が生じる。後者はいわば負い目をもつことになり、前者より下位に甘んじなければならない。これまた、近頃はこの暗黙の了解もあやしくなったが。。

当事者は意図的に互酬性の均衡を操作することがある。例えば相手に《貸しがある》または《借りがある》状態をつくり、少なくとも返済がされるまで相互関係がつづくのを望む。終戦直後、アメリカと日本の支配者層の関係もそんなもんだ。いやいや、いまの郵政も似たようなもんか。

中国で日常的におこなわれている食事の接待など、典型的な互酬性と言えそうだ。中国には、ハニートラップと言われる、ばれたらコワ~イ、互酬性もある。インドネシアのスカルノはこの事態に、なにが悪い?と開き直ったとされている。まあ、イスラム国家は一夫多妻だからなあ。

逆に関係を終結させたい場合は貸し借りを清算して互酬性が均衡した状態にすればよい。

恋愛を継続させたいときの本の貸し借りは、ほのぼのとした互酬性の思い出でもある。
[PR]
by ogawakeiichi | 2009-06-12 16:45 | 只記録
<< 時熟 ソリューションデザイン >>