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彩遊記

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セロトニン

「弟子たちよ、入息出息を念ずることを実習するがよい。かくするならば、身体は疲れず、目も患まず、観へるままに楽しみて住み、あだなる楽しみに染まらぬことを覚えるであろう。かように入息出息法を修めるならば、大いなる果と、大いなる福利を得るであろう。かくて深く禅定に進みて、慈悲の心を得、迷いを絶ち、悟りに入るであろう」(雑阿含経)

『セロトニン欠乏脳』(NHK生活人新書)を著した有田秀穂博士(東邦大学医学部生理学教授)は、脳にあるセロトニン神経が心を安定させクリアにする働きに注目。セロトニン神経を活性化することで現代人のキレやすさ、うつ状態になりやすさを改善できると提言している。

そして禅や瞑想といった古来の身体技法、精神修養技法が、素晴らしくセロトニン神経を活性化させるのではないか、という仮説をたてた。

坐禅が心をリラックスをさせ、心身の爽快さと元気を生み出すということは古くから経験的に知られていた。

この古来からの経験的事実は脳内神経伝達物質セロトニンの働きと深く関係していることを明らかにした。有田秀穂教授が説く「坐禅とセロトニン神経の関係」は次のようである。

脳内には心を支配する神経と神経伝達物質が大別して3つある。

1.「ドーパミン」:やる気と快感を生む神経伝達物質。

2.「ノルアドレナリン」:ストレスに反応する神経伝達物質。

ドーパミンもノルアドレナリンのどちらも生きて行く上で、なくてはならない神経伝達物質である。しかし、なんらかの理由でそれらの伝達物質が増え過ぎて暴走することがある。

例えば、ドーパミンは快感を生む。しかし、その快感の刺激に慣れてしまうと、さらなる快感を求めてどんどんその分泌を増やす。ドーパミンの過剰状態が続けば、やがては過食症や依存症といった心の病につながる可能性がある。

ノルアドレナリンは、危険を感じたときにたくさん分泌される、いわば危機管理物質であるが、これも過剰分泌が続くとパニック障害やうつなどを引き起こす。

3.「セロトニン」: ドーパミンとノルアドレナリンの暴走を抑え、程よくバランスを取って心を安定させる神経伝達物質で、セロトニン神経から分泌される。

なにごとも過度になるのは弊害を生む。神経も中庸(程のよさ)が1番良い。心の中庸を保ち、「心身ともにスッキリ爽快」の状態を作り出してくれるのがセロトニン神経と「セロトニン」である。

このセロトニン神経を活性化させる原動力は、リズム性の運動、具体的には、歩くこと、咀嚼する(かむ)こと、丹田呼吸(腹式呼吸)の3つにある。 呼吸に意識を集中する坐禅は、セロトニン神経を活性化する最も有効な方法である。

セロトニン神経は、一言で言えば「元気の神経」といえる。150億の脳細胞のうち、数万個がセロトニン神経。
これは、脳の一番奥の、原始的部分にある。役割としては、オーケストラの指揮者をイメージすると良い。すなわち、セロトニン神経自体は、(バイオリンとかピアノのような)具体的仕事はしないが、全体の雰囲気を作り出す、全体(=心全体、筋肉、雰囲気)に影響を与える重要な役割を担っている。



参考サイト
http://www.sets.ne.jp/~zenhomepage/brainscience1.htmf0084105_8435220.jpg
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by ogawakeiichi | 2009-09-23 08:43 | サイエンス
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