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彩遊記

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中医

中国の病院には、日本では聞き慣れない「中医科」がある。「中医」とは中国医学のこと。

西洋医学は薬を服用してなおす内科的な治療と、悪い部分を取り除く外科的な治療があるのに対し、中国医学では、針やお灸、気功、マッサージ、調合した生薬などを用いながら総合的に治療をする。

中国で生活していたある日のこと、ぼくは原因不明の頭痛が続き、訪ねた病院の内科では、診察ののち、中医科へまわされて数日間首筋へマッサージを受けた。

またあるときは、しゃっくりが終日止まらず、一般の病院から中国医学の総合病院を紹介され、顔とアタマに針を打たれ、背中へお灸をすえられた。

西洋医学のような即効性はなかったようだが、原因不明のしゃっくりも頭痛も、いつのまにかよくなっていた。
西洋医学では、まずは「どこが悪いのか」を探り、エコーなどの機材を駆使して診断をおこない、悪い部分を手術や、薬で治療していくのに対し、中国医学では、悪い部分をカラダ全体の一部としてとらえ、バランスをとりながらカラダを調和させることを目標に治療していく。つまりカラダのあらゆる部分はお互いに影響しあっていると考える。

ザクッと言えば、悪い部分を集中的に治療していく即効性のある西洋医学に対し、全体のバランスをみながら時間の経過とともに部分をなおしていくのが中国医学だ。

企画やデザインの仕事をしていると、即効性のある西洋医学的なやりかたと、ときに中国医学的な見方の組み合わせが必要になってくる。 

デザインは悪くないのに売れない場合、よくよくみると、売る商品そのものや、売り方や見せ方を含む全体のバランスが悪かったりする。また、その反対にモノはいいのに、デザインが悪いこともある。
つまり全体と部分の両方を同時に見ていく必要があるわけだ。

また、売れるモノをつくるのか、売れつづけるモノをつくるのかの違いもそうだ。
売れつづけるモノをつくるとは、ブランドをつくるということ。たとえば、瞬間的に売れることを求めるのなら、価格を下げたり、それなりのプランをたてて、キャンペーンをやり、試しに買ってもらったりと、一時的に売り上げを伸ばすことができると思う。

ただ、そこで買ってもらったものが、その後も買い続けてもらえるかというと、それは?だ。 

買った理由が、話題性や価格の安さだとすれば、そのモノの評価ではなく、話題性や価格の魅力によるからだ。

地域のブランドづくりということが言われて久しいが、ブランドをつくるには、デザインとキャンペーンの重要性はもちろんのこと、その価値がわかる人に喜んで買ってもらえるような、その喜びを、まわりの人に伝えたくなるようなしくみや環境をつくることも重要になってくる。

西洋医学と中国医学のように、まったく違う発想を組み合わせていくことが必要だと思う。



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by ogawakeiichi | 2009-10-31 08:43 | 南日本新聞コラム
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