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彩遊記

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ブラック・スワン

f0084105_18183459.jpgf0084105_18192229.jpg。。。。。(参考引用:千夜千冊:ブラックスワン/アマゾン・ブラックスワン書評・案内より)

他人から見ると滑稽なのに、本人大真面目という事はよくある。 われわれは、ときに実態以上に悲観したり、たまたまに自信を持ったりする事がある。

それがわかっていても、おなじようなことでまた騙される。 ブランド、宗教、自己啓発、信用、エセ科学、おまけに最近は貨幣から国家まで・・・。


なにかにつけ、問題でもないのに問題を煽る行政にぶら下がるファシリテータ。チャンスですよと投資を煽る株屋さん。自分の経営はさておき安全圏から常套句を繰出す経営指導のコンサルタント。自分の生き方もデザインできないデザイナー。

作者はこう言い切った。『専門家が抱える問題とは 自分がわかっていないということを彼らはわかっていないと いうことだ。知識が不足していて、しかも自分の知識の質に幻想を持っている』と・・

むかしは、未来を語れるのは、言葉通り「呪い師」「予言者」であった。はずれると、殺されたり自害することもある覚悟者でもあった。しかし21世紀の現在は もう少し気のきいた言葉で飾られた コンサルタント、ディレクター、ファシリテータなど横文字稼業の「専門家」といわれる方々がその任に当たっている。


数字の羅列とグラフを使って欲望にかたりかけるこれらの語り部と、この語りを神託のごとく受け止めた、欲望に満ちていた消費者たちへ。。。

☆   ☆   ☆


むかし西洋では、白鳥と言えば白いものと決まっていた。そのことを疑う者など一人もいなかった。ところがオーストラリア大陸の発見によって、かの地には黒い白鳥がいることがわかった。

白鳥は白いという常識は、この新しい発見によって覆ってしまった。「ブラック・スワン」とは、つまり、ほとんどありえない事象、誰も予想しなかった事象の意味である。

タレブによれば、「ブラック・スワン」には三つの特徴がある。
●一つは予測できないこと。
●二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。
●三つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすることだ。

私たちは自分で思っているほど実際には物事をよくわかっていない、とタレブは言う。彼はそんな現象を長年研究してきた。私たちはどうでもよくて取るに足らないことにばかり気をとられてしまう。

そして相変わらず重大な事件に虚をつかれ、そんな事件が私たちの世界を形づくっていく。

タレブが言いたかったことを一言でまとめれば、「人間には大きなランダムネスは見えないものだ、とくに大きな変動は見えないものだ」ということである。

ところが当時、金融証券業界のポートフォリオ・マネージャーやリスク・マネージャーたちは、その見えないはずのランダムネスをあたかも正確に織り込んだかのような確率計算書にして、たくさんの白い白鳥を大きなブラック・スワンにしてしまった。

トレーダーたちが金科玉条にした金融工学の半分は、実は白鳥に黒いペンキを塗ったニセ科学であったのだ。←本書図表参照、みてもよくわからんが・・。

かつて人類が原始的な生活を営んでいたときは、身体とその周辺事情を頼りにすべての判断をしていた。そういうときは身体や知覚の変化によってモノごとを判断した。←発展途上国などで生活するとわかりますぞ!

すなわち身体が感じる衝撃的なことこそが、大事なことだった。

やがて社会がルールをつくり、国家が法によって現象の過剰や過小をコントロールするようになると、大事なことと衝撃的なことが分離されるようになった。

たとえば殺人は、かつては大事なことで、かつ衝撃的だった。

やがて殺人は特殊な犯罪として区別されていく。

それにより、よほどのことがないかぎり、殺人により自分の身体が危機にさらされるという心配をしないですむようになる。

しかし、そのぶん、大事に守るべきことも別のものになり、別のところで守るようになった。←たとえは、貯金。

つまりは、こうしてリスクが分断されたのだ。以来このかた、現代社会は、リスクを分散管理するシステムがつくりあげた制度によって、かなり細部にわたるまで仕上がっていることを目標にした。

いまではコンビニの漬物にさえ賞味期限のラベルが貼ってある。

賞味期限のラベルは、メーカーと販売者とユーザーを区分けして、責任とリスクを同時(リアルタイム)に分担しあうための、つまりは消費者やユーザーに責任を負わせるための、無責任なラベルなのである。

一方、古代も現代もまったく変わっていないものがある。それはあいかわらずの欲望だ。物欲も性欲もほとんど変わってこなかった。

幸福感と金儲けをつなげるビジネスが大手をふって世の中を賑わせることになったわけである。
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宝くじの当たる確率は火事や泥棒にあう確率が二百分の一くらいに比べ何十万分の一ですから、天文学的に低い確率なのです。でも“誰かは当たる”。まさにこれも普通の人はほとんど“当たらない”のに、“当たる”という幻想で成り立っている“ブラック・スワン”商売なんですね。だいたいの詐欺商法でも「儲かりますよ」というのが殺し文句になっています。(大田眞千世)
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この欲望をリスクにまぶして金融商品として売り出すビジネスが生まれる。

本来、銀行利子とギャンブルはまったくちがった。「自分から発するギャンブル」と「状況がもたらす銀行利子」とは截然と分かたれていた。

そのうちこれがしだいに混じってきた。

さらには、「状況がもたらすもの」としてのランダムネスがそこに加わるようになってきた。

いや、そういうフリがまかり通ることになった。

それを派手に喧伝したのが金融商品を巧みに売りに出す連中だったのである。

リスク・ヘッジなどという、とんでもない魔法を使いだし、線形を非線形の計算でまぶし、非線形な生活の中に線形をもちこんだ。

そこには投資ユーザーが責任を負う賞味期限のラベルが貼ってあった。つまり、巧みに売りつけ、あとは知りませんということである。←小さな文字をパンフに忍ばせリスクを伝えてはおりますが・・。

(参考引用:千夜千冊:ブラックスワン/アマゾン・ブラックスワン書評・案内より)
by ogawakeiichi | 2010-01-16 18:19 | サイエンス
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