ブログトップ

彩遊記

ogawakeiic.exblog.jp

記号論のトレース

パースは「記号とはそれを知ることによってもっとほかの何かを知るためのもの」という見立てをしていた。つまり、【どんな思考も編集的であることを示した】「直観など最初から自立していない」と言ってのけた。

すなわちすべての推論は、あたまの中に蓄積されたこれまでの【認知】が関係してくると・・。

ぼくは、【推論】に関し、エピソード・手続き・意味、この三つと、時間と場の創発からくるものだと思う。そのなかでも、キワの体験によるエピソード記憶と、身体性と極めて関連する手続き記憶は極めて重要だと思う。これは時熱とも大いに関連してくる。。。と、これまた自己のエピソードと手続き記憶から推論する。

さて、パースは、すべての認知と認識のプロセスが相互に連携的で、総じて連合的で、すこぶる関係的であること、すなわち【編集的である】ということに確信をもっていた。

このことをパースは思考における「シネキズム」(synechism 連続主義)ともよんだ。ちなみに認識とはある物事を知り、その本質・意義などを理解すること。認知とはある事柄をはっきりと認めること。

パースのすべての関心は、「推論」(inference)とは何ぞやと、推論の正体を見極めることにあった。

たとえば観察を言葉に置き換える。このような推論のプロセスでの思考は、先行した思考が後続する思考によって解釈されていくすなわちその解釈のプロセスが『推論』だ。

このとき、さまざまな手立て、すなわち『思考記号』(thought sign)が使われる。

そして、その思考記号によってさまざまな関係づけや連合がおこり、推論はそれらを適宜消化しながら進んでいく。よくみるとそのプロセスはあくまで関係的だ。それゆえパースの論理学はしばしば「関係の論理学」とよばれている。

パースはそのうえで、推論には感覚や知覚が必ず「注意」(attention)によって編成され、再編成されていくことに気がついた。

ぼくらが、覚悟のトレーニングを受けた虎の穴の集合知の文脈でいえば【注意のカーソルがたどるダイナミックな編集プロセスを観察する】という作業がおこっているということになる。

パースはこの帰納法に強い関心を示した。そして帰納的検証は「似ているものをさがす」という方法をとるのだとみなした。パースはそこに仮説の創成の糸口を見たわけである。【仮説の創発】のことをパースはアブダクションとよぶ。。アブダクションとは総合的な【推感編集】なのだが、ここではくりかえさない。ビジュアルアナロジーもこの周辺にある。

ソシュール記号論(ソシュール言語学)についてごくごく単純に説明すると、その基本は二項間の対応がパラダイムになっているということにある。

たとえばラングとパロール、コードとメッセージ、意味するもの(シニフィアン)と意味されるもの(シニフィエ)、送り出すものと受け取られるものなどである。

「ラング=(言語の決まりごと。コード)」→→言語。
「パロール=(言語の個人的側面。メッセージ)」→→お喋り。

つまり、誰もが日常で「ラング」を「パロール」している。人間は言葉を使う能力と、言葉を使って何か実際の行動をする。

言語学の世界では、民族の違いなどはあっても一つの言語で結ばれた共同の社会があり、そこには歴史的に作り上げられた文字を基本とする言語の体系があると考える。

例えば、日本民族には漢字仮名混じりの文字の体系によって、言葉が成り立つ。これがラング即ち「言語」である。

ソシュールはこれらのそれぞれ二項のあいだにさまざまな対応の行き違いやそれぞれの自立性があることから、その言語学や記号論の枝葉を広げていった。また言語や記号の本質に降りていった。

一言でいえば、ソシュール記号論は「差異を生むコードとメッセージの記号論」なのである。

ところがパースの記号学は、そうではない。大胆に定義するのなら「類似を生む解釈と仲介の記号学」なのだ。記号はコードそのものではなく(コードも含むが)、解釈内容も仮説候補そのものも、記号になりうるようになっている。

いわばモードもテクストも、プロセスも仮説も記号なのである。いや物理的な指示作用だけでなく、図表的なものや図像的なものまでも記号と認めた。

▼  ▼  ▼
ここらあたりから、資料不足と、読み込み不足。。現在スルー

=======

類似記号がイコン、指標記号がインデックス、象徴記号がシンボル、
「名辞」(rheme,term)、
「命題」(dicisign,proposition)、
「論証」(delome,argument)において活動する。

これをパースは推論の場面における第一次性、第二次性、第三次性というふうにもとらえた。←ここらあたり、腑に落ちないので再考の必要あり。。
[PR]
by ogawakeiichi | 2010-02-12 08:25 | 情報とデザイン
<< 鳳の国 記号の国家 >>