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彩遊記

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台湾からのチャット


4月4日 南日本新聞日曜朝刊掲載

いきなり、「チャラン~」という、メールの到着音とともに、中国語で『いま、台湾に住んでいます』と、チャットがはいる。(※パソコンを使ってリアルタイムでのメッセージのやりとり)。

ときどき中国での教え子からチャットがはいるのだが、そのすべてが大陸の中華人民共和国からだ。

大陸ではない台湾からのチャットに、「知らないヤツが、まちがってアクセスしたのだろう」と、放ったらかしにしていると、「中国語を忘れたの?」「なんで居留守を使うの?」「わたしを忘れたの?」・・などなど、リアルタイムでの書き込みは終わらない。

中国での教え子は、ざっと数えても数百人。 そのうえ、李さん、とか、王さん、などなど同姓も多く、よっぽどの悪童か、どっぷりと一緒の時間を過ごしたゼミの学生以外は、顔と名前がすぐには一致しない。

おまけに、中国語の会話には問題ないのだが、チャットは大の苦手なのだ。中国語のメールは、まあまあなのだが、チャットは、会話のスピードにあわせての高速打ちが大の苦手。

中国語を文字打ちするにはピンインとよばれる発音記号を使うのだが、舌をまく、まかないなどの標準中国語の微妙な違いを正確に憶えてないため、打ち間違いの連打連打で、チャットにならないのだ。

台湾からのチャットの相手は、仕事場である学校ちかくにあった水墨画材屋の娘だった。中国に赴任早々、水墨画の師匠にはじめて連れていってもらったときは、まだ小学生だったのに・・。縁あって、なんと政治体制の違う台湾へ嫁いだのだという。
中国でデザインの教鞭をとっていた九十年代後半、台湾と中国の間には険悪なムードが漂っていた。

現在大陸には政治体制が違うといっても、多くの台湾からビジネスマンや留学生が暮らし、いまでは直行便が飛ぶ。

さて、その台湾で台湾映画として観客動員数が歴代第一位になった『海角七号』という映画があるのだが、先々月、日本でも公開された。

映画は、日本統治時代と現代を背景にした日本と台湾のラブストーリーだ。劇中の『君を捨てたのではなく、なくなく君を手放した』という日本語教師のセリフが、日台関係のノスタルジーかと話題になった。

政治体制の違う中国大陸での公開は、なにかと批判的な見方もあり、一時はお蔵入りか?との情報も流れていたが、昨今の中台関係の改善により、公開にこぎつけた。

大陸から台湾に嫁入りした彼女にチャットで、台湾では「海角七号、見た?が、挨拶の代わりにまでなったというけど・・」と、聞いてみると、そうだという。中国本土では映画より先に、庶民の間ではとっくに海賊版ノーカットデジタルが出まわっていたという
大陸だの、台湾だのという時代ではないということなのだろうか・・。

ちなみに、この映画の主役級は、郷土奄美の唄者「中孝介」氏であったことを付け加えておく。
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by ogawakeiichi | 2010-04-04 05:20 | 南日本新聞コラム
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