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彩遊記

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グローバル資本主義

フェアトレードの授業を終わらせ、香港へ向かう。ピュアな世界から、一転してアジア金融資本で盛況きわめる香港へ。香港では、アジア経済の最先端に寄り添うことになる。

午前は一地方都市で学問としてのフェアトレードのワークショップを講じ、夕方には、もうかりますか?のアジア金融最先端、香港ビジネスの世界へ向かうことになる。同じ日に対極に位置する矛盾を、どさっと引き受けることになったのだ。

いま、世界中に金融ネットっワークや商品ネットワークとともに、資本主義の力が網の目のようにはりめぐらされている。これを最近では「グローバル資本主義」という。コーヒーを飲んでも水を飲んでも資本主義。いまや中国もロシアも例外ではない。

いっとき社会主義の計画経済が、東欧や中国で確立されてのだが、これもなし崩しくずし的に解体され、多くの国が自由資本主義を導入してきた。歴史経済学のエマニエル・ウォーラースティンはこれを歴史的な「世界システム」の発動というふうに捉えた。

さらに、今日の社会は、ウェッブがはりめぐらされた高度情報ネット社会でもある。つまり、資本主義と情報主義の監視と管理をうけていることになっている。

ということは、なにもかもが、レジストレーション(登録)されていることにもなったわけで、便利で自由になったと感じている分、その外側は「私の要望」が管理されていることになる。何かしようとすると、自分の位置も身元もバレていく。

巷ではよく、自由市場とか、自由競争ということをいうが、いったい「自由」とは、なにを自由といっているのか?。

そもそも資本主義が、自由を満喫できるほど、それほど高度なものなのか。あるいはまた、すこぶる倒産や合併が多いのに、どうして株式会社は万能にみえるのか。最近の日本は外資系に買収されていく日本企業もめだっている。

近代経済学を確立したといわれるケインズは、だからこそ「市場は不安定である」というところから出発した。また、いっとき世界をさわがせたヘッジファンドの投資家ジョージ・ソロスさえ、「金融資本主義を書くとしたグローバル資本主義ほど不安定なものはない」と言っていた。

また、ノーベル賞をとったケンブリッジ大学の経済学者アマルティア・センは「貧困と飢饉」のなかで、国家や政府が介入しない資本主義は世界各地の民衆の権利をなんら擁護できないとした。

むろん、逆のことを主張する学者も大勢いる。経済学者フリードリッヒ・ハイエクは、資本主義は、個人の自由とわかちがたいもので、そこに国家が介入してはいけないという思想を主張した。これはこれで、すばらしい自由思想かもしれないが、しかし、個人の自由を資本主義でしか保証できないなんて、誰が得心しているのだろう。これって、お金が無いと自由は手に入らないのですと言っているに過ぎない。

ヨーゼフ・シュンペンターは「企業家精神(アントレプレナー)」の重要性を言い出した画期的な経済学者だが、そのシュンペンターは「市場経済はほっておけば利潤ゼロの均衡状態に向かう傾向をもつ」と言った。そこでシュンペンダーは、だから「企業家は、つねに創造的な破壊をしつづけなければ生き延びられない」、それゆえ「イノベーションが必要」とした。つまり、「よほどのことをしないかぎり、企業は勝てない」と言っているだけでもある。

競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」というが、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説くが、所詮はニッチャーを狙った資本の自由競争に違いはない。

そうなると、これはもう、翻って、資本主義を成立させている歴史や基盤を、問題にしたほうがいいかもしれない。(引用参考:世界と日本のまちがい)。
by ogawakeiichi | 2010-07-20 14:23 | 只記録
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