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彩遊記

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神話を読み解く

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ぼくの母校である川内高校(薩摩川内市)の目と鼻の先には「ニニギノミコト」を奉る「可愛山陵」がある。

300段を超える山陵までの石段は、部活動の格好のトレーニング場所でもあった。 

その「ニニギノミコト」をはじめとする、神様の物語が「古事記」や「日本書紀」だ。

山陵が身近にあったことから、神話に描かれた「ニニギノミコト」が、天から地上の高千穂へと「天孫降臨」してきたことだけは知っていた。

しかし当時は、宇宙人じゃあるまいし、神話など、でたらめな話としか思えなかった。

気がつけば、日本神話とは程遠い、中国で暮らしていた。

そこでは、日本・中国・韓国の間で「国」と「国」のトラブルが起こるたび、「国」という言葉に敏感になった。日本人という背景をもつ者として、好き嫌いにかかわらず、その渦中へと投げ出されていた。

そんなわけで、現在の日本と中国、韓国がどんな過程を経て「国」になっていったのか、日・中・韓それぞれの歴史を調べたいと思った。

だが、歴史を古代に辿るほど、境界があいまいになってくる。そして、最後は結局、神話の世界にたどり着く。
そのうち、でたらめな話と思っていた神話の世界は、伝承をもとに、それを創作した人や編集した人の「気分と都合」で書かれたような気がしてきた。

神話には、征服者と征服された人々の秘密が、織り込まれているのでは? と思うようになってきた。

しかし、神話に隠されたモノやコトを読み解くことはそう簡単ではない。

まずは聞き慣れない、早口言葉のような大勢の神様に辟易する。さらに、一人の神様がたくさんの名前を持ち、加えて、神話の舞台が複数登場してくると、混乱にさらに拍車がかかりギブアップだ。

どうやら神話を攻略するには、覚悟をもってアスリート感覚で挑む必要がある。

仕事柄、デザイン思考を活かし、神話を図解してみることにした。

見えてきた大雑把な日本神話の流れはこうだ。「天地創造」に始まる日本神話は、「高天原」と「出雲」へ並列して進み、突然、舞台は一転し、天孫降臨の「日向」へ移る。最後は現在の奈良県であるヤマトへ流れこみ、大和朝廷となっていく。

ところが、アジアを俯瞰してみると、日本神話にとてもよく似た話が、朝鮮半島にも大陸にもあったのだ。

朝鮮半島には、天上から亀旨峯(クジボン)に神が降りてきた天孫降臨の話がある。

ぼくのなかでは、この話がどうも「ニニギノミコト」の天孫降臨の話と重なって見えてきたのだ。

朝鮮半島と日本の間には、いまでも難しい問題があるにはある。だが古代には、ぼくらが想像している以上に、かなり近い関係があったのでは、という気がしてきた。

いずれにしても古代には、境界など意識しない関係があったのだけは確かなようだ。
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by ogawakeiichi | 2010-12-03 14:13 | 南日本新聞コラム
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