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彩遊記

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中国的電影情報

昔、昔お世話になった「さるさる日記」が停止になるそうで・・過去にの南日本新聞連載原稿をここで保存しておいたのですが、こちらに移しておきます

■ 中国的電影情報=1月12日掲載=

●中国的電影情報=1月12日掲載=
桂林で迎える八度目の正月。海外向けBS衛星放送や、WEBカメラの発達で、日本の年末・年始の雰囲気はオンラインで届けられるようになった。とは言っても、こちらの新年は旧暦(春節)で、ここぞとばかり祝うので、申しわけ程度に聞こえる爆竹の音を除けば、新年の雰囲気などまったく無い。僕は、日本の元旦モードを味わいたくて、初日の出を見るために、近くの公園の中にそびえる奇峰の一つに登ることにした。

ところで、“韓流”って言葉はもともと中国語だということを知ってますか?。こちらのCD屋さんで、ちょっとした異変が起き始めたのは数年前。それまで、街のCD屋に必ずあったのが、日本の映画やテレビドラマとヒット曲のコーナー。そのコーナーが徐々に、韓国ドラマに塗り替えられてきた。いま思えば、これが韓流のはじまりだったのだろう。

チャイナのおばさまたちも、学生も、韓国ドラマに夢中になっている。こちらでも「こんなもん、ほんとの親善とはちがう」みたいな言い方をしている人もいるようだけれど、売り出すための仕掛けも当然あるのだろうけど、作品に魅力があり、時勢を捕らえて、共感を得ちゃうと、アッという間に政治を飛び越え、ふたつの距離を縮めてしまう凄さがある。

昨年は、韓国ドラマ『大長今(チャングムの誓い)』が大陸で大ブレーク。ある一日は、一億六千万人が見たというから、半端じゃない。中国のリーダーたちも『大長今』に魅了されてるとか?こうまでなると、たかがドラマと、侮れなくなる。

その一方、先月末チャイナ発で、中・日・韓の俳優を主役にした“陳凱歌(チェン・カイコー)”監督の中国映画『無極(プロミス)』が封切られた。日本人の俳優は、“真田広之”。

それに対抗するように同じく先月末、“高倉健”を主演に、雲南省・麗江で撮影した『千里走単騎(単騎、千里を走る。)』が、封切られた。監督は『ヒーロー(英雄)』『初恋の来た道』など日本でも話題になった“張芸謀(チャン・イーモー)”。彼と“高倉健”の二人が15年来の思いを実らせた作品だという。

これまで幾度か彼の作品を見た。中国人独特の色彩感覚から生まれている鮮烈な色彩を、カメラマンの出身らしく、生き生きと描くのが特徴だ。アーチストとしてだけではなく、世界戦略のビジネスセンスも持ち合わせている。

多才な“張芸謀(チャン・イーモー)”が総監督したモダンな民間劇が桂林にある。郊外へバスで約1時間“陽朔”と呼ばれる街に、山水の大自然をそのまま利用した大劇場が作られた。総勢600人の地元民が、鮮やかな色彩の布を使ってのパフォーマンスは彼の得意とする表現だ。芝居の動きにあわせ、コンピュータ制御でライトアップされる山水のランドアートも必見だ。

先日、美術教師の同僚たちに誘われて、久しぶり映画館へ足を運んだ。話題作は混雑するからと。午前の部に間に合うようにと行った。ところが係りのおねえさん、「きょうは、冷え込んで午前中は観客少ないねぇ、夕方からおいで」とのお達し。抵抗むなしく、これには苦笑。結局、夕方から見ることに・・ここでは、まだまだ想定外のことが起きるのだ。映画を見るのもたいへんだ。  
by ogawakeiichi | 2011-06-23 07:42 | 南日本新聞コラム
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