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彩遊記

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中国模式の衝撃

f0084105_14115520.jpg中国に駐在したことのある公務員のグループ中鹿会で、講師をすることになる。これまでの講演記録を引っ張りだしながら内容を詰めているのだが、今回の対象は滞在歴30年という強者もいて一筋縄ではいかないようだ。

中国からの帰国以来、頻繁に往来していたものの今年はまだ一度もない。変化する新鮮な情報は身体性を通して理解してきたが今年はその機会に恵まれてないのだが、中国の根底にある古層化することもないので、古層と表層を高速でアプローチしていきたい。

資料は私淑する松岡さんが、現代中国を千夜千冊(『中国模式』の衝撃:近藤大介)をしているのでこれをキーブックとして、中国の学校現場のど真ん中で経験したことを組立てて話していこうと思う。

著者、近藤大介氏は微博(中国版ツイッタ―)でも発信している人物で、中国語も堪能だ。先般のオリンピックで福原愛の中国語を聞いてぶったまげたのだが、最近はネイティブに引けをとらない日本人の中国語の使い手も増えてきている。※わたしを含めてと言いたいところことだが、ふふふ、

さて、この本によると、中国を次のように分類する。「めちゃくちゃな中国」「恐ろしい中国」「図抜けた中国」。中国という国家が、いかにダイナミックに、いかに不遜に、いかに勝手に組み上げてきたかをうまく描いている。

著者が本書で断言していることは、ただ一つ、中国にはチャイニーズスタンダード(中国様式)が巌然としてあって、その中国模式がながらく世界を律してきたアメリカンスタンダードといよいよ激突しつつあるということだ。

チャイニーズスタンダード(中国模式)という言葉は、外国人の中国経験者のなかでは、大陸生活で日々の上手くいかないモノごとを、あきらめの境地をもってチャイニーズスタンダードだからしょうがないないよ・・などとずいぶん前から使っていたが、国家としては2009年秋の建国60周年の頃から使われだしたキータ―ムである。

この、中国模式という言葉。次期主席に決まっている習近平の世になればもっと大々的に叫ばれることになるだろう。※とは言っても習近平の娘はハーバードのケネディースクール。※オヤブンの江沢民の長男・江綿恒は、ペンシルバニア州のドレクセル大学卒でブッシュ・ファミリーの三男は、なんと江沢民の長男・江綿恒(こうめんこう)が経営するハイテク企業の上級顧問。

振り返ってみると中国の歴代王朝は、三つの原因によって滅んでいった。

第一には北方異民族の侵入。

第二は宦官や反乱武将の跋扈してのお家騒動。

第三は生活苦にあえぐ農民や庶民の反乱である;黄巾の乱、黄巣の乱、紅巾の乱、太平天国の乱、義和団の変、いずれも全国的に動乱になっていった。

いったい中国人の世界観や社会観はどうなっているのかというと、世界も社会も「天と地と人」からなっている。だだし、この「人」とは一般的は人間という意味ではなくて、個としての自分のことである。その我が天と地に直結している。つまり、中国社会は個人主義に発した世の中なのだ。

その個人主義はほとんどが金によって確立されている。カネと結びついた自分が一番の我なのだ。
こういうふうになったのは、鄧小平が「先富論」を唱えて、これをその後の政府が奨励し、富めるものから先に富めというスローガンがなんの罪悪感もなく広まっていったからだった。これでべれぼうな「暴発戸」(成金)や「新貴族」が誕生した。最近では、八十后。九十后。とよばれる新年代がもてはやされる。

そもそも中国社会は性悪説で成り立っているので、騙し方でも、相手を上手に騙すのも美徳なのである。


国が栄えていれば、民が衰退しても平気なのである。その代り民の一人一人は「天・地・人」の社会観をもっているわけだから、こちらはこちらで我を断固主張する。そうする中国を「一個中国是龍、三個中国人是虫」などという。これは日本では全く逆なのだ。

身体で理解していても、改めて文字に書き起こしてみると、経験で見る内側の過去と、メディアで見る外側からの現在がクロスして、自己のなかで、ハッと、得体のしれないものが腑に落ち、未来へ向けた創発さえ起こる気配がしてきた。
by ogawakeiichi | 2012-08-24 14:12 | アジア史&思想
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