きょう11月8日から5年に一度の中国共産党、十八大(党大会)が北京で開かれる。
チャイナウォッチャーのわたしとしては、ここ数日、中国情報から目が離せない。
今回開かれる、党大会の流れをザクッといえば、現在の胡錦濤総書記(国家主席)は党大会で総書記から引退。国家主席も来年3月の全人代で次の世代へと引き継ぐ。新たな党の総書記には習近平が、首相には李克強が就任することがほぼ決まっている。
注目されるのは、習近平と李克強以外の政治局常務委員の数と顔ぶれ。
これまでどおりの9人なのか、それとも取りだたされている7人なのか。誰が政治局常務委員になるのか。。。このことは、今後の中国の動向を見ていくうえで、また世界やアジア、ひいては日中関係にとっても重要になってくる。
すこしばかり、中国の政治の仕組みを説明すると、総書記とは、中国共産党のトップ。あくまで共産党のトップであって、それ独自で国政に関する権限は有しない。ただし、党が国家を指導するという大原則から、影響力がもっともあるポジション。
国家主席とは、全人代(全国人民代表者会議)で選出される、中国国家のトップ。ただし、それ自身が単独でなんらかの決定を行う権能はない。イタリアやドイツの名誉職としての大統領に似ている。
つまり、中国共産党のトップであれば、全人代の選挙でも国家のトップとしての国家主席に選ばれるのが通例だ。
中国共産党総書記、中国国家主席、とともに重要なセクションがある。人民解放軍の最高決定機関に当たる党中央軍事委員会主席。ただしこのセクションから胡錦濤が引退するのかはわからない。
中国の人口13億人。中国共産党の党員数は8260万人。党の方針を決める大会が5年に一度。実際の党の運営は党員から選ばれた中央委員会(中央委員が204名、候補委員が167名)が行う。
ところが、この中央委員会も年に一度の開催の形式的なもの。そこで、さらに上の【中央政治局委員25人】が実権を握る。しかし実際は、この25人のうちピラミッドの最上層にいる【9人の常務委員】が日常の方針を決定している。繰り返すが、つまり、重要な事項は「党中央委員会政治局常務委員会」の9人が決めているのだ。
じつは、8月、現指導部(現常務委員9名)や元指導部経験者達が避暑地・北載河に参集し、十八大に向け、次の政治局常務委員を決める熱い権力闘争が繰り広げられていた。
「党中央委員会政治局常務委員」。これこそ中国共産党の「ブラックボックス」であり、さらなる見えない部分である。
この政権の最高決定をなす9人を遠藤誉はチャイナナインと命名した。
北載河の会議をへて、党大会までにある派閥の綱引きを経た結果が、表にでてくる。