ブログトップ

彩遊記

ogawakeiic.exblog.jp

南日本新聞コラム・長期旅行者

f0084105_11142142.jpg真っ赤な朝日が昇ろうとするころ、部屋の前の大木でセミが一斉に鳴きはじめる。桂林には珍しい青い空が広がる。雨期が終わったと思ったら季節はいきなり盛夏にはいった。

この猛暑の中、こちらは今が卒業シーズン。学校近くの屋台は、別れを惜しむ学生と涼を求めるのん兵衛で夜遅くまで大いににぎわっている。
 
広場の屋台ではくし焼きを食べながらビールを飲み、酔いがまわってくると上半身はだかでジャンケンによく似たゲームがはじまる。負けたら飲む。はじめて見たときは、けんかと間違うほどの勢いなのだが、大人がこれで楽しめるのだからうらやましい。最近は広場に大型テレビを置いた屋台もあり、ワールドカップの開催もあって大にぎわいだ。自国のチームは出場していないというのに、ほぼ毎日テレビ・新聞でサッカー特集をしているほど、こちらには熱心なサッカーファンが多い。

そのワールドカップもまもなく終盤戦だが、予選リーグ、日本対オーストラリア戦は、わが家に居候していた“バックパッカー君”と一緒に屋台へ出かけた。大勢の人民にまじり、屋台広場に置かれたテレビで観戦。

テレビの前に陣取っていた観客は、後半のオーストラリアが点を取ったあたりから、がぜん元気になってきた。うっ、四面楚歌か?。それとも、ぼくたちの思い過ごしだったのか?。好奇心旺盛な“バックパッカー君”は、ぼくと同じく人間ウオッチングも好きなようだ。ちなみに桂林の日本人会と日本びいきの中国人は日系のホテルで一緒になって当然、日本を応援していた。

さておき、居候していた好奇心旺盛な“バックパッカー君”のことである。建築デザイン専攻の学生で大自然と建築と世界遺産を巡る旅だという。バックパッカーとは、リュックを背負った長期旅行者のことだが、彼はそのうえ手にはギターを抱えてやってきた。ことばがヤバイときにはギターでコミュニケーションをとるつもりらしい。日本から上海へ船で渡り桂林へ。そしてヒマラヤを越えイスタンブールまで陸路で行くという。彼が桂林を離れ二週間が過ぎようとしている。昨夜、東チベットのちっちゃな街から電話があった。

数えきれないほどの峠を越え、数えきれないほどの谷を渡り、バスとヒッチハイクでチベット山脈を移動中だという。地図をみてみると東アジアを流れるメコン川、黄河、長江など大河のほとんどがこのあたりに水源をもつ。すごいルートを旅しているものだ。あの若さにしかできないと思うと、ちょっとうらやましい。旅で得た体験と二つの目で見たものは、後々デザイン力となり、どこかに表現されてくることだろう。

サッカーは残念だったが、まだまだ日本男児も捨てたものじゃないと思うこのごろだ。
[PR]
by ogawakeiichi | 2006-06-30 11:16 | 南日本新聞コラム
<< お宝デザイン/蜂蜜のシンボルマーク お宝デザイン/傘 >>