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彩遊記

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パブリックサイン

●サインの機能
○案内機能
サインは都市空間や施設などをわかりやすく、案内し快適に行動できるように各種の情報を伝える機能をもっている。
①空間の認識に関する情報
ア:案内ー空間の構成を示す面的な情報
イ:誘導ー方向や行き先を示す線的な線的な情報
ウ:記名ー場所を特定する点的な情報

②内容の理解や運営に関する情報ア:禁止・規制ー安全の管理や利用の円滑化
イ:説明・解説ー内容の紹介や理解の促進
サインにはこれらの情報のいずれかが、または複数の情報が含まれ相互に関連しながら
人に代わって案内を行い、不安定な内容を基準化し、正確で安定した案内を行う機能がある。

※情報の概念:面的な案内→線的な誘導→点的な記名<>都市案内→路線案内→地点案内
○誘導機能
ツアーガイドは、あらかじめ訪問先を決めて要領よく旅行者を誘導する。サインにはこれと同じように目的地に速やかに誘導し、的確な導線をつくるはたらきがある。道路案内標識に代表される「誘導サイン」は方向案内とも呼ばれ、方向や行き先を示す線的な情報を伝える。サインの高さ、文字の大きさ、色などが決められ一定の距離からすばやく判読できるように工夫されている。的確な誘導サインの条件として、次のものがあげられる

1.情報が適正に選択されていること
2.利用者に対応した内容であること
3.見やすくわかりやすいものであること
4.場所の特性にあっていること
5.瞬時に判断できること。

〇記名機能
空間を認識させるためには、①案内サインによって空間の構成を示す。②誘導サインによって方向を示す。
③記名サインによって、場所を特定する。の3つの情報が連続していなければならない。記名サインはそのなかでも最も基本的なもので、案内サインや誘導サインと複合させることはあっても省略することはできない。記名は、個人の自由意志を尊重することが原則であるが、一方で、町名街区番号の一貫した表示や広告物の規制など、総合的な関係からコントロールしなければならない問題もあり、体系的なシステムの確立が急がれる。
さらに最近では言語に頼らすノン・バーバルな記号も記名機能を果たしえるとの考え方も定着してきた。たとえば、山や樹木などの特徴的な自然景観や個性的な彫刻などは、古くから親しまれてきたが、最近ではこうしたランドマークを意図的に創造したり、ピクトグラムを積極的に利用する傾向がある。場所を特定し、普遍的な指示が出来、人々の感覚にアピールするサブシステムとして一層の発展が期待される。

例:浅草の雷門・東京のバス停・福岡タワー・マック・ケンタッキー

○禁止・規制機能
街や施設などの機能を維持し、安全かつ積極的にその機能を活用していくために、さまざまな情報が必要である。
第一に安全の確保と人為的災害の防止に関する情報。<禁止・規制サイン>
第二に町や施設などの機能を理解し十分に活用できるようにするための情報<説明・解説サイン>
第三にその内容の理解を深め、利用者の育成をはかる情報<説明・解説サイン>
例:道路標識。自然石の車止め

○説明・解説機能
①施設設備等の利用方法を案内するもの。
②由来や個別の資料の理解を促すもの
③動的な情報を提供するための装置となるもの
ア;利用案内
施設設備等の内容を紹介し使い方を説明する。案内、記名、禁止・規制等を含めた複合的なサインになることが多い。大きな施設ではインフォメーションセンターなどにおいて人による柔軟な対応が必要な場合もある。
イ:学習
由来や個別の資料や理解を促し、利用者の育成をはかる。
記念碑や観光案内、動植物園の解説など
ウ:掲示
動的な情報をつたえる。手描き、印刷物の掲示、名前などの掛け替え、あたらしいエレクトロニクス技術等を利用したものもある。より美しく表示し、繁雑化を防ぐ。


●案内・誘導のシステム
○方向誘導方式
人をある目的地まで案内・誘導するにはサインが系統的に計画されていなくてはならない。
目的とする対象がみえていたり、一本道のような場合は別として、要所要所で確実な情報を
えることが必要である。
サインの表示板が整備されていても、それぞれが連携され目的地までの誘導を確実に行わなければならない。
方向誘導方式は、目的地の名称と方向を示すことによって行おうとする方法である。
この方法は、利用者が自分の目的とする対象をはっきりともっている場合や正確で確実な案内が必要な場合は曖昧な情報が
はいりにくく信頼性がある。また、交差点などたくさんのサインがあつまるところでは、かえって分かりにくくなる。
このような場所では情報を適切な範囲内に限定してあたえる必要がある。

○案内誘導方式
案内誘導方式は、方向誘導方式に比べ、目的的な行動に対しての確実性や可読性に欠ける。しかし
常に全体を把握し、対象と周辺環境との関係を把握しながら行動できるよさがある。
また、目的とする施設がはっきりし、そこから周辺の情報が分かれば興味の対象はどんどん広がる。
このように目的をもった行動を前提としながらも、利用者の選択性を広げ全体の状況をつかみながら
行動できるような情報をあたえるのが案内誘導方式である。

○プロムナード誘導方式
プロムナード誘導方式は、方向誘導方式の確実性、案内誘導方式の自由性の両方の特性をもたせた方式である。
都市などは幹線に沿って主要な施設が位置している。このような場所では地域全体を表示するよりも、
案内の範囲を道路沿いに絞り込んで表示したほうが適切な情報が表示できてわかりやすい。
このプロムナード誘導サインは必ず現在見ているサインから次のサインが見えるように配置されると
視覚的な誘導効果も大幅に増す。


●サインの構造
①本体と構造
屋外サインは一般的に情報内容を表示する表示面とそれを指示する本体に分けられる。が、表示面と本体との関係は、
設置される環境の状況や、利用目的によって、一体で構成される場合と別々に構成されるものとがある。交通標識
などのようにさまざまな設置条件と表示条件に対応するには、取り付け、取り外しのシステムをもった本体、表示面
支持金具が独立したシステムがよい。また、公園などのランドスケープと一体となった環境や、
著名な場所や施設の記名など将来変化がないような内容のサインには、石や鋳物に彫りこんだような本体と表示が
一体になった構造がある。
独立型、壁付型、突き出し型、吊り下げ型、がある。

②表示の方法
維持、管理の考え方で2、3年の改修テンポと10年、20年のテンポでは使われる素材もかわってくる。
可変情報か、固定情報かでも方法は変わってくる。固定情報の場合は印刷や彫刻でもよいが、可変情報の場合は、CRT
画面や電光文字等のメディアに頼る必要がでてくる。表示方法はシート加工によるもの、化学処理(腐食、エッチング)
フイルム加工(フイルム焼付け、クロマリン加工)、切り抜き加工(切り文字、チャンネル文字)キャスティング(鋳物、
アルキャスト)などがあり、それぞれの目的にあわせてつかわれる。

③照明の方法
サインの照明方法は外から光をあてて表示面を照らす外照式、外からの光を受け反射させる反射式、表示板自体が光を
放つ発光式などがある。外照式は街のビルボードサインや案内サインに多く使われ一般的である。この方法は照明器具を
露出で取り付ける方法と本体と一体で組む方法があるが、とくに表示面に影響なくできるため他の方法とくらべて比較的
安価である。

④モジュールとシステム
パブリックスペースに設置されるサインの条件はなかなか確定しにくく複雑である。本体の構造を考えても、表示の内容
使用目的、設置場所の条件の違いにより何種類ものサインが必要になったり、計画時点で適切な数量を設定していても
状況の変化によりサインの数量や種類が増減する。また公共サインは破損や追加設置、経済性にも対処しなければならない。
そのための方法としてモジュールと、システムの考え方は重要である。


●サインの表示要素
①地図
サインの空間表示としては、地図、絵図、路線図、平面図などがある。
屋外サインでは観光案内や公共施設の案内といった特殊な目的をもったものが多いから主題図がほとんどである。絵図は絵画的
表現になったもので、イラストマップから透視図的表現までを含む。利用者の注意を引きやすく、現実空間との視覚的類似性が
つよいため、直観的に理解しやすい。雰囲気を伝えるにも相応しい形式である。一方、一般図や平面図と呼ばれるものま物の正確な
大きさ、位置、距離等を表現するのに便利である。路線地図は電車やバスをはじめとした交通機関の運行ルートや都市内の見学ルートを
示す。また地図上に表現する場合は、面積が広範囲にわたる場合は北を上に表現し、概して空間が小さい場合は向かって遠方を
上にするのが一般的である。

②文字
サインデザインにおける文字の注意事項は1.視認性および判読性が高い。2.加工性がよい。
3、サインの伝える情報、サインがおかれる場に相応しいこと。判読距離については道路標識基準
等を参考にすれば一応の検討がつくが、可能な限り実寸模型を現場で検討するほうがよい。
2加工性については構成のしっかりした文字でないと耐えれない。場合によっては文字の大きさの調整や拡大で甘くなった箇所の
修正が必要となる。

③絵文字
ピクトグラフあるいはピクトグラムという。言葉や文字に変わって事物のかたちを象徴化してその意味を伝達する
絵画的記号。情報を視覚的に表示して伝達するため年齢や国境、異なる言語の障害をこえる手段として国際的イベントや、
国際空港などで用いられてきた。しかし今日ではスペースを節約し認識性のよさもあって、手洗いをはじめエレベーター
、日常生活空間にも使われたいる。なお絵文字を国際的な共通記号とするための検討が国連の諮問機関である
国際標準化機構(ISO)の制定した国際規格をもつ公共案内用図記号に<ISO-7001がある。わが国
でもJIS日本工業規格として検討されてきたが、いまのところ規格化せずに、ISO7001を参考図としてとどまって
いるに過ぎない。(1991年当時

④色彩
色彩には視認性、透目性、連想性などの働きがあるが、どれもサイン計画にとって重要である。色彩の意味が明確に定めれれている
例としてはJISで制定されている安全色彩がある。安全上必要なものや、箇所を識別しやすくしようとするものである。
白と黒を含め8色からなり各色の基準が定めれれている。サイン計画のなかでは色彩が記号として生かされている代表的な
ものおとしては、交通信号がある。また空港に出発系の緑、到着系の黄色などもそうである。
双方とも情報が単純で同一視野内で認識されているケースである。識別の対策が増えたり、記憶を必要とする場合、色彩の使用は
避けたほうがよい。図書館で主題ごとに色彩を用いるなど、悪しき例である。色彩の働きでもっとも重要なことは、感性に直接
訴える力をもっていることである。したがって、記号性を負わせるよりも、むしろ、環境を演出する要素と
考えたほうがよい。サイン計画は昨今、標識を配置するだけでなく、空間の構成やその計画つくりにまでかかわるようになって
きた。色彩はそうした場合のごく重要なエレメントである。屋内空間で言えば、主動線とそれ以外の区別。長大な空間の分節化
、複雑な空間の整理、さらに空間の性格づけに有効である。ところで、日本人の男子の4-5%、女子の約10分の1が先天性の
色盲である。色弱を含めると相当数になり、サインの色彩を考える上に無視できない点である。先の信号機に関しても
色とあわせてかたちも併用すべきとの意見がある。


赤:●防火●禁止●停止●高度の危険
黄赤:●危険●航海、航空の保安施設
黄色:注意
緑:●安全●避難●衛生。救護●進行
青:●指示●用心
赤紫:●放射能
白:●道路●整頓●ひきたたせるための補助色
黒:●引き立たせるための補助色

⑤ハンデキャップとサイン
身体障害者は大きく肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、内部障害にわけることが出来る。
車椅子利用時の平均的な目の高さは、1.2メートルと低く、また移動の困難さを思えば
事前のきめこまかい情報が必要である。誘導表示に距離を表示するなどその例である。
身障者マークは国際的に定められた形式であるが、身障者施設としての用件を満たしていないと
取り付けることはできない。視覚障害者には触覚や聴覚に訴えるデザインが必要である。
触覚系として点字ブロック、点字タイル、点字表示板、点字案内板があり、聴覚系としては
誘導鈴や、音声表示などがある。
点字ブロックが・タイルは突起物が点状のものは警告・位置を、線上のものは誘導を表わしている。


サイン計画
市街地のサイン計画には、①人々を目的にまで円滑に誘導する。②町や施設の内容を紹介し利用の
活性化をはかる。③その町や施設の個性的な魅力を演出する
by ogawakeiichi | 2006-05-26 19:01 | デザイン《取注》
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