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彩遊記

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南日本新聞コラム・清華大学美術学院

f0084105_12492255.jpg中国の最高学府といえば清華大学。十二月下旬、北京の西北部に位置するその清華大学をたずねた。

一般にはネームバリューのある北京大学のほうが最高学府とおもわれがちだが、近年、
朱鎔基・元首相、現在の胡錦涛・国家主席など国家指導者を卒業生から輩出して以来、清華大学の人気が上昇。文字通り現在、中国のトップスクールに君臨した。 

これまでは『理系の清華・文系の北大』と呼ばれ双璧をなしてきた両校だったが、大学改革による「総合大学化」への取り組みで、どうやら理系・文系のすみわけもあやしくなりつつある。

この両校だけで国から大学へ分配される交付金の内訳が、3分の1を占めるというから、中国政府がいかにこの二つの大学を重要視しているかが窺える。

両校は東側に清華大学、西側に北京大学が隣接する。日本でいえば、東大と京大が隣同士に並んでいるようなものだ。

さて、清華大学のキャンパスのことだが、とにかく広い。
校内を走る循環バスに乗った。乗客は学生たちより、地方なまりのある観光客であふれる。
清華大学は学問の府であるとともに、清の時代、王朝の庭園があった観光地でもある。
なにしろ南門から北門まで約三キロもあるいう。最高学府の貫禄十分。しかし、こんなに広いと学生たちの移動も大変だと思うのだが・・。
学生たちは顔が痛くなるほどの北京の寒さのなか、並木のつづく学内を白い息を吐き、肩を並べて、おしゃべりしながら自転車のペダルを踏んでいる。寒空の中、テニスコートではボールを打ち合う学生たちもいる。見るからエネルギーありそうな彼らには、この寒さも、キャンパスの広さも、あまり関係なさそうだ。

じつはこの清華大学に、中国デザイン界の頂点にたつ精華大学美術学院(美術学部)がある。
数年前、美術大学のトップの一つであった中央工芸美術学院を併合。中国のデザイン界に旋風を巻き起こした。清華大学の持つ理系の技術とデザインを紡いでいこうという戦略だ。
幸い、美術学部にいる知人が学部内を案内してくれ、教室や展示室、学生たちの様子を垣間見た。 

中国の建物は表からの見た目はよいが、内部になるとアレレと思わせることも多いのだが、デザイン界トップのプライドだろう、照明から展示の繊細な部分まで手が込んでいる。勉学の環境としてこれ以上のものは無い。

美術学部は女子学生が多く華やかだ。彼女たちの放つ“彩り”からは「中国的なキッチュなセンス」が急速に影を潜めていく予感がする。

中国は今、以前の日本がそうであったように、海外のいいものを見つけては、個人がすぐさま取りいれていく時代になった。 国民所得と同様に、中国人の美的センスも目覚しい向上が始まっている。
車窓から見る夕闇迫る北京の街は、訪れるたびにセンスの良くなるウィンドウの飾りつけや、クリスマスツリーの光に彩られていた。
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by ogawakeiichi | 2007-01-07 12:43 | 南日本新聞コラム
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