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彩遊記

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数の宇宙観

f0084105_21525327.jpg五月十二日、中国・四川省で大地震が起こった。

いまから九年前のこと。まさにその震源地“汶川”から、チベット山地の東に広がる大草原地帯をとおり、シルクロードへ抜けたことがある。

勤務先である中国の美術学部の学生たちを引率していった“考察”という授業でのことだ。言葉の問題で、正確には、ぼくのほうが学生に引率されていたと言ったほうがイイ。

この授業、ひとつき近く、安宿を渡り歩き、人々の生活や風景を、スケッチ、映像、文章などで記録しながら移動していく。

三国時代の蜀の都だった“成都”からバスに乗りこむ。屋根にまで荷を満載したバスは、川沿いに迫る山塊の隙間のつづらおりの道を、上下にバウンドしながら進む。

当時、そのルートは、道路工事のため、いたるところで山を切り崩す作業の真っ最中。もうもうと砂煙を撒き散らし、急カーブを行きかうトラックとすれ違うスリリングな道だった。

バスの休憩地で、満々と水をたたえるダム湖の静寂を風景画で記録した。たぶん震源地“汶川”のあたりだったかも知れない。

この地域、地図を見れば一目瞭然だが、たくさんの山脈と渓谷が幾重にも連なる。渓谷の一筋、一筋に川が流れ、その流れは大河になりインド洋、南シナ海、東シナ海と、まったく違う方角へ分岐する。地理学的にも貴重な場所だ。

『プレートテクトニクス理論』なるものによると、遥か昔、南からやってきたインド大陸が、中国大陸にぶつかり、グイグイと食い込む力が現在も続き、気の遠くなる時間の流れの中で、溜まった力が地震を引き起こすという。

さて、毎朝チエックする中国のサイトで、四川地震の日付について興味ある記述を見つけた。数字に関する中国の宇宙観を垣間見ることができる。

『八』の数字は中国では古来より重要な意味を持つ。 日本でも「末広がり」といって『八』の字を喜ぶが、中国では、宇宙のすべては、陰と陽を「八卦」で組み合わせることによって生まれるとされてきた。さらに『八』の中国語の発音が、発展の「発」にちかく、繁栄も意味する。そんな訳で、『八』の字のつく、ナンバープレートや電話番号は、高値で取引されている。

この夏、開催される北京オリンピックは八年八月八日午後八時開催と、『八』の字がずらりと並ぶ。

こんな具合に中国人の『八』に対するこだわりは、半端ではない。

ところで、突然襲った四川の地震だが、中国のネットでは、こう続ける。
「地震発生の五月十二日の数字である五と一と二を足せば『八』になる。

さらに、オリンピック開催の八年八月八日の八・八・八の数字を掛けると地震発生日(512)になる。

さらに地震発生日からオリンピック開催まで、残り八十八日になる。」

「科学は、この偶然の一致をどう説明する?迷信は、ぼくらに何を伝えたい?そうだぼくらは、一致団結してこの困難を乗り切ろう!『八』の続く偶然は、 “太平の盛世”がやって来るってことなのさ!がんばろう。」と・・・。
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by ogawakeiichi | 2008-06-01 21:53 | 南日本新聞コラム
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