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彩遊記

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ボランティア

f0084105_9561039.jpgボランティアは、「自発性パラドックス」に巻き込まれるという。「ボランティアとは、困難な状況に立たされた人に遭遇したとき自分とその人の問題を切り離して考えるのではなく、相互依存性のタペストリーを通じて、自分自身も広い意味ではその問題の一部として存在しているのだという、相手へのかかわり方を自ら選択する人である。

表現をかえるなら、相互依存のタペストリーのなかで、「他人の問題」を切り取らない、傍観者でいないことが大切である」しかし、自分が自発的に行為の結果、自分が苦しい立場においこまれることになる。これを金子は、「自発性パラドックス」と名づけた。
 
つまり、ボランティアは、いわばやらなくてもよいことをやるのだから、そこには何の後ろ盾もない。「人が自発性に基づいて行動するとき、なにを、どのように、どこまでするか、原則としてすべて自分にかかってくる。自分で決めたことであるから、その妥当性を、上司の命令、組織の規則、社会の通念、契約上のとりきめといった、「外にある権威」によって正当化することは出来ないからである。」


「ボランティアとしてのかかわり方」を選択するということは、自発性パラドクスの渦中に自分自身を投げ込むこと、つまり、自分自身をひ弱い立場に立たせることを意味する。」この「ひ弱い」、「他からの攻撃を受けやすい」ないし「傷つきやすい」状態を、金子は、「バルネラブル(vulnerable)」と表現する。「ボランティアは、ボランティアとして相手や事態にかかわることで自らをバルネラブルにする」のである。

では、人はどうしてボランティアをするのか、言い替えると、どうしてあえて自分をバルネラブルにするのだろうか。金子は、「それは、問題を自分から切り離さないことで「窓」が開かれ、頬に風が感じられ、・・・意外な展開や、不思議な魅力のある関係性がプレゼントされることを、ボランティアは経験的に知っているからだ」と答える。

「相互性を前提としたものごとの成立は、コントロールできないし、結果を保証できないので、ひ弱いと見られることが多い。」しかし逆に金子は、「相互依存性の「ひ弱さ」が、実はボランティアの魅力と、力の可能性の源である」ことを示そうとするのである。
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by ogawakeiichi | 2009-07-31 09:56 | 情報とデザイン

頼まれもしないのにする仕事

デザインという仕事の本質はモノを形づくることよりも、むしろ“提案する”ことの方にある。デザインの仕事はクライアントから依頼されるもので、そうでないものは作品やアートと呼ぶ方が相応しいと思う人もいるかもしれないが、決してそんなことはない。

歴史を少し遡ってみよう。デザインの黎明期、たとえばウィリアム・モリスからバウハウス、モダンデザインまでの約100年間を眺めてみると、そこにいるのは、誰に頼まれもしないのに何かをつくりつづけた無数の先駆者たちだ。モリスのチョーサー著作集にも、マルセル・ブロイヤーのワシリーチェアにも、イームズのDCM(椅子)にも、クライアントは存在しない。

これらの仕事において、デザインとは極めて個人的なアイデアを、具体的な形で世の中に提案する仕事だった。企業の依頼をうけてその経済活動を美的側面から支援するというデザイナーの仕事は、おもに大戦以降、資本主義経済が発展してゆく過程で形成された、わずか約半世紀間のデザイナー像に過ぎない。

西村佳哲著『自分の仕事をつくる』より
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by ogawakeiichi | 2009-07-30 11:09 | 只記録

複雑系の小言

f0084105_10433218.jpg収束して結果として見えてくるものがないと、不安がる人。それはそれで仕方ないとおもうのであるが、その解決に想像絶後の量子的な振る舞いとか、複雑系とかをいきなり持ち出しても、方法としては結構苦しいものかも知れない。こりゃあ、自発性のパラドックスと並ぶ、難問になりそうだ。

日本人は繊細な文化の影響で細部に気配りし、ちいさな事象の蓄積で組み立てる特性をもっているたとえば、日本料理、日本建築、日本なんたらと名辞されたものは、その手際よく仕上げる振る舞いと、その完成度に美意識を感じた。

日本的な「花鳥風月」という耽美の世界は、エネルギーを収束へと向かわせ、空間の中で執着愛、つまり「思いいれ」とか、「一点もの」とかの言葉で語られることも多かった。とくにバブリーな拡散社会のときは、逆に収束していく行為や作品に対する態度、モノとしての商品などなど、その辺りがよく効いた。

場の理論の先駆者である清水博は「個の生命が互いに関係しあうことにより、共同体の生命を創出することが共創」であるとする。このことは、つまり辞達(高度な意思の疎通)の場でコンテキストが共創されることで、固有の文化としての文明社会の性格を決定づけ、歴史や地理のおもしろさを作り出すことを意味するが、その真価はコンテキストがもつ多様性にあるとする。

開放系は異質の人の共創によって創造的であり、個人の創意が活力の原動力になり選択肢を増すが、閉鎖系は同質の人の共存の維持が中心で異質なものを排除して均等化を目指すために、団結力はあるが多様性と危険分散に乏しい。

日本精神を体現する「タコツボ」的ムラの生態は、初期の段階では排他的な団結力を誇るが、生存条件を高めるために選択の多様性を求めることで、粋主義から際主義への転換が奔流となる。

核として主体に重点をおけば偏狭になるが、核のある部分の場としての全体は総てに開かれているので、外にむかって開くときに主体が確立していれば、堅固な殻で防御する必要はなくなるために、それが部分と全体の関係を整合的なものになっていく。

因果関係を中心に見るニュートン力学もまた、複雑な関係性のパターン主体の量子力学によって、限定された部分法則になろうとしている。(参考・引用:藤原肇、さらば、暴政)

経営も量子力学的、複雑系に推移の予感か・・。そういう意味で俯瞰する大雑把もイイ。繊細と大雑把のかわるがわるだなぁ~。
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by ogawakeiichi | 2009-07-30 10:47 | 只記録

やってくる偶然

人は各々誕生以来、時間を横軸、場を縦軸とすれば、縦横に囲まれた中にそれぞれの人物が動いてきた軌跡を描け、ときに出会いの縁起が時間と場をすさまじい間隔を経て同じ人物と再び出合う場合がある。

先日、現代美術家の藤浩志と食事にいったときのこと。
ぼくはちょっと遅れてその場に行ったのだが、席につくなり隣に座っていた妙齢の女性と目が合った途端「あっ。!チベットで会った!」と、隣り合わせたぼくと彼女は驚きの声を上げ、手を握りあっていた。

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いまから10年前1999年、チベット。「ヒガッエ」から「ラサ」へと向かうバスでのことだ。

チベット高原の天気は変わりやすい。雨で水かさのが増え、濁流のため橋が落下。そのため乗っていたオンボロバスは迂回することになり、乗客は、危険を避けるため、膝まで浸かりながら河を渡ることになった。ぼくはニコンのカメラを首から垂らしていたのだが同じバスから降り、同じようなニコンを持つツーリストらしき一人のうら若き女性がいた。

こんな辺境ではチベット人で満員の乗客に彼女の毛色の違いは明確で、声をかけてみると、なんと日本人。慶応の学生だった。
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橋の落下のあともこのバスは再び災難にあう。今度は前方でがけ崩れがあり道を塞がれさらにバスの後方でもがけ崩れが発生、前にも後ろにも進めなくなった。

結局、復旧工事が終わるまで雨の降りしきる急斜面にへばりつくようなバスに一昼夜閉じ込められ道路がひらけた頃は朝になっていた。

ルートを同じくするチベットの旅は数日続き、彼女に只者でない立ち振る舞いを感じながら分かれたのだが、その後も只者でないおもかげはふっと気にはしていたのだが、縁起というものはときに『存在』という事実をガツンと突きつけてくる。10年後、やってくる偶然として、鹿児島の地で席を隣あわせることになろうとは。

彼女は今、現代美術の殿堂・水戸芸術館でキュレーターとして日本の現代美術を牽引するトップランナーになっていた。

やはり只者ではなかったようだ。
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by ogawakeiichi | 2009-07-27 07:02 | 只記録

皆既日食と月読神


日食は古代以来、天変地異の忌み嫌われるコトなのに。北京と、千葉からやってきた弟子を中心に我が周囲のはしゃぎぶりは、なんなんだ。

雨になったり薄っすらと太陽が見えたりを、かわるがわる繰り返すきょうの天気は、観たい気分と、古代以来の観てはいけないものの配合をそれなりに天が按配してくれているのだろう。

日食とそれを見上げる場を、なにかで取り結ぶポイントで観たいと思っていたのだが、ふと桜島の月読神社を思い出し、急遽フェリーで櫻島へ渡る。

ツクヨミ(月讀、ツクヨミノミコト)とは、日本神話の神。記紀においては、イザナギによって生み出されたとされる。普通には月を神格化した、夜を統べる神である。ツクヨミは太陽を象徴するアマテラスと対になって誕生するが、地球と太陽の間に月がいりこむ現象である日食を観る場としては、我が脳活動の産物であるこのアナロジーの振る舞いは、なかなかイイ。
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日本神話において、ツクヨミはアマテラス・スサノオと並ぶ重要な神とされているにもかかわらず、『古事記』『日本書紀』の神話にはあまり登場せず、全般的に活躍に乏しい。わずかに『日本書紀』第五段第十一の一書で、穀物の起源が語られているぐらいである。これはアマテラスとスサノオという対照的な性格を持った神の間に何もしない神を置くことでバランスをとっているとする説もある。これを日本神話の中空構造と言う。
(ウィキぺディアより)
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日食だって、主役の太陽を隠すのは月であるのに、月の存在は忘れがちである。この存在感の薄さも、なかなかのものだ。
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by ogawakeiichi | 2009-07-22 08:42 | 只記録

第4回北京国際デザイン芸術展

中国最大のデザイン展。中国工業デザイン会の重鎮北京理工大学の芸術学院長、張教授に案内され参観。
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展示館名称: 北京展覧館
場所: 北京市 市: 北京市
URL: www.eduid.com/index.php
主催: 中国国際経済合作発展局/中国建築装飾協会/清華大学美術学院
共催: 中国建築装飾協会設計委員会/清大遠教(北京)文化発展有限公司
業種: 広告設計
紹介: 展示内容:建築装飾、室内設計、家居装飾設計、家具設計、照明設計、工業設計、芸術設計総合、学校設計、都会企画及び不動産、アニメーション設計、景観設計
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by ogawakeiichi | 2009-07-17 23:20 | 只記録

吉祥人形

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北京・王府井、繁華街にある箸屋さんの入口に鎮座する吉祥人形。このグロ具合はチャイナっぽくて脳中枢を刺激する。

北京の暑さは35度を軽々越えるが、今年の我が体調すこぶるよろしく、クーラー無しでもやっていけそうだ。
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by ogawakeiichi | 2009-07-17 09:27 | 味写真

バンブーハウス

やっと、、きた~っという思いだ。だって北京の山中だもんなあ。おまけにセレブなコネクションないと幾重にもあるゲートを通りぬけられない。まあ、金だせばある程度まではいけるが・・奥の院へは無理である。今回は日本ブランドここがスポンサー。それより、なんでこうも貧富の格差が離れていくんかい。。はあ~.

おいらはフロートする遊民であるからして、それほど恨みも羨望もさほどには抱かないが・。う~ん、社会をデザインしたいなあ。あっこれって政治家にならんといかんのか。←ムリムリ
社会システム論は別腹としておいといて。隈建築はシンプルでいい。
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          設計:隈研吾(長城脚下的公社)北京 
          吉永小百合シャープAQUOSロケ地
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by ogawakeiichi | 2009-07-16 17:03 | 只記録

アジアンロマン

東アジアには、壮大な歴史ロマンがありまして、隈研吾が北京につくったオポジットホテルで清王朝末裔・愛新覚羅なんとかさんとお会いした.

気品漂う、川島芳子にそっくりのお方でしたが、最近まで貧乏アパートに住んでいたとか。ところが今は、一転して高層マンションにお住まいです。

対談後、河北省にある、皇帝の避暑地にいそいそとお出かけになられました。皇帝末裔筋は当然ながら、いまでも脈々と続いているのですね。

なぜ、満州に日本が進出したのか、ロシア南下の防波堤だけであったのか日本は満州でなにをしていたのか、黒龍会とはなんなのか、北朝鮮のなんたらはこのあたりが腑に落ちないと、たぶんにちんぷんかんぷん。まだ、まだ、ロマンは尽きませぬ。
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by ogawakeiichi | 2009-07-14 14:10 | 歴史アブダクション

具の具合

単純系から複雑系。なにやら世の中が急速にうなりをあげて動き出した。
情報、判断、決断、実行、体力と装備も準備万端か。
別段、なんにもしなくともバブルのときのように右肩上がりは
単純系でうまくいく。

でもなぁ、世界は複雑系。単純は複雑の一部。
そんなにするりとなんぞは、活きませぬ。←ほらほら
刹那のアトに、刹那は無限連鎖していくが
端もまた、端の向こうは複雑な沢山の無限の端が触れ合う場。

ふふふ、離しておいてよかった。

成田から今朝のフライトで離れるが
その具合の様を、求めたときに全力で返してくれる、損得勘定なしに。
そんなモノ、コト、ダチが沢山いてうれしいものである。
だから大事なことは、求められたときには
とにかく全力を尽くすことである。
しかしアタリマエながら、求められないなら頑張りはしませんが。
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by ogawakeiichi | 2009-07-09 06:00 | 只記録