ブログトップ

彩遊記

ogawakeiic.exblog.jp

<   2012年 08月 ( 4 )   > この月の画像一覧

中国模式の衝撃

f0084105_14115520.jpg中国に駐在したことのある公務員のグループ中鹿会で、講師をすることになる。これまでの講演記録を引っ張りだしながら内容を詰めているのだが、今回の対象は滞在歴30年という強者もいて一筋縄ではいかないようだ。

中国からの帰国以来、頻繁に往来していたものの今年はまだ一度もない。変化する新鮮な情報は身体性を通して理解してきたが今年はその機会に恵まれてないのだが、中国の根底にある古層化することもないので、古層と表層を高速でアプローチしていきたい。

資料は私淑する松岡さんが、現代中国を千夜千冊(『中国模式』の衝撃:近藤大介)をしているのでこれをキーブックとして、中国の学校現場のど真ん中で経験したことを組立てて話していこうと思う。

著者、近藤大介氏は微博(中国版ツイッタ―)でも発信している人物で、中国語も堪能だ。先般のオリンピックで福原愛の中国語を聞いてぶったまげたのだが、最近はネイティブに引けをとらない日本人の中国語の使い手も増えてきている。※わたしを含めてと言いたいところことだが、ふふふ、

さて、この本によると、中国を次のように分類する。「めちゃくちゃな中国」「恐ろしい中国」「図抜けた中国」。中国という国家が、いかにダイナミックに、いかに不遜に、いかに勝手に組み上げてきたかをうまく描いている。

著者が本書で断言していることは、ただ一つ、中国にはチャイニーズスタンダード(中国様式)が巌然としてあって、その中国模式がながらく世界を律してきたアメリカンスタンダードといよいよ激突しつつあるということだ。

チャイニーズスタンダード(中国模式)という言葉は、外国人の中国経験者のなかでは、大陸生活で日々の上手くいかないモノごとを、あきらめの境地をもってチャイニーズスタンダードだからしょうがないないよ・・などとずいぶん前から使っていたが、国家としては2009年秋の建国60周年の頃から使われだしたキータ―ムである。

この、中国模式という言葉。次期主席に決まっている習近平の世になればもっと大々的に叫ばれることになるだろう。※とは言っても習近平の娘はハーバードのケネディースクール。※オヤブンの江沢民の長男・江綿恒は、ペンシルバニア州のドレクセル大学卒でブッシュ・ファミリーの三男は、なんと江沢民の長男・江綿恒(こうめんこう)が経営するハイテク企業の上級顧問。

振り返ってみると中国の歴代王朝は、三つの原因によって滅んでいった。

第一には北方異民族の侵入。

第二は宦官や反乱武将の跋扈してのお家騒動。

第三は生活苦にあえぐ農民や庶民の反乱である;黄巾の乱、黄巣の乱、紅巾の乱、太平天国の乱、義和団の変、いずれも全国的に動乱になっていった。

いったい中国人の世界観や社会観はどうなっているのかというと、世界も社会も「天と地と人」からなっている。だだし、この「人」とは一般的は人間という意味ではなくて、個としての自分のことである。その我が天と地に直結している。つまり、中国社会は個人主義に発した世の中なのだ。

その個人主義はほとんどが金によって確立されている。カネと結びついた自分が一番の我なのだ。
こういうふうになったのは、鄧小平が「先富論」を唱えて、これをその後の政府が奨励し、富めるものから先に富めというスローガンがなんの罪悪感もなく広まっていったからだった。これでべれぼうな「暴発戸」(成金)や「新貴族」が誕生した。最近では、八十后。九十后。とよばれる新年代がもてはやされる。

そもそも中国社会は性悪説で成り立っているので、騙し方でも、相手を上手に騙すのも美徳なのである。


国が栄えていれば、民が衰退しても平気なのである。その代り民の一人一人は「天・地・人」の社会観をもっているわけだから、こちらはこちらで我を断固主張する。そうする中国を「一個中国是龍、三個中国人是虫」などという。これは日本では全く逆なのだ。

身体で理解していても、改めて文字に書き起こしてみると、経験で見る内側の過去と、メディアで見る外側からの現在がクロスして、自己のなかで、ハッと、得体のしれないものが腑に落ち、未来へ向けた創発さえ起こる気配がしてきた。
[PR]
by ogawakeiichi | 2012-08-24 14:12 | アジア史&思想

オリエンタリズム(序)

f0084105_1058174.jpg処々諸々の事情で、ブログをアップできなかった。というより、ブログアップのリズムが崩れたといったほうがいい。なにか気の利いたことを、世間へアウトプットするわけでもなく時間だけが過ぎ去っていった。

ただ、昨年末から再び始めた身体改造プログラムは順調に進み、体重5キロ減、筋力も3倍にアップ。まぁ、アセンションとやらの乱世は身体と呼吸を整えじっとしているのもイイかもしれない。が、売られた喧嘩に対する知・技・体の準備は万端。

ところで、やっとサイードだ。アジアをやるには、オリエンタリズムを著したサイードを通るのは必要条件みたいなものだが、なぜか正面からトライしてこなかった。サイードは,オリエンタリズムで東洋と西洋の対立は捏造であることを指摘した文化人類学者だ。

オリエンタリズムをパラパラとジョギング軽読して見えてくるものは、本来、ヨーロッパは野蛮なアジア的空間に対して、開明的なポリス的空間を作り出したということだ。これがギリシャ思想の本質である。

つまり、ヨーロッパから見たアジアは野蛮な空間なのだ。

以来、そのことはヨーロッパ思想の政治的、社会的なまた文化的優越感の根幹になった。ヨーロッパはやがて王国とキリスト教と資本主義を発達させていく。

イギリスの東インド会社をはじめとしたアジア侵略をはじたのにも通奏低音のなかにこの思想がある。

このようなアジアの後進性を土台にしたアジア感はヘーゲルによって強化されていき、つねに他者を挑発し摘発することで正当性をプロパガンダしてきた。

私的な思いだが、極東にある日本は、昨今、おなじアジアの民である中国、韓国からも似たような方法で挑発されている。古代ギリシャ思想が西方からグラデーションのように連なってきたわけでもなさそうだが・・。

ノモス(法)によって規律される世界は、古代ギリシャではポリス(都市)と、オイコス(家庭)のふたつの領域に分けられる。暗くて野蛮な地下にあるアジア的世界(メタファー表現)のオイコスからは、地上にある明るく開明的な石づくりの都市(メタファー表現)のポリスへとなる。各オイコスの家長のひとりがポリスのメンバーだとされポリスとオイコスの一対は、ノモスによって制度化された。

わたしたちは、近代日本が帝国主義の仲間入りをすることによって、初めて西洋の知識の系譜を学んだわけだが、ポリスがアジア的空間を局部的に封印してつくられたということは、「ポリス」という概念には天上的なコスモス(秩序)がある。逆に言えば封印されたアジア的空間のオイコスには暗い地下的な世界が渦巻いている。それがヨーロッパから見たアジア感。


と、きょうは、ヨーロッパのアジアに対する見方だけ。。

この本はぼくにとって読みにくい文体なので、ゆっくりと紹介していく。
[PR]
by ogawakeiichi | 2012-08-23 10:58 | 西洋史&思想

身体性のメモ

•息…呼吸法(腹式呼吸)
•呼吸法の目的は、「調息(呼吸を意識的に整える)」によって、「調身(体を整える)」、さらには「調心(心を整える)」ことにある。

●息を吐くことに意識を集中。口から、細く長く息を吐き出し、同時に、体や心から不必要なものを吐き出すようにイメージ。息を吸う時間の倍かけて、息を吐き出すのがポイント。心身共にリラックスできる方法。最適なのは、朝起きて太陽を浴びながらと、夜寝る前。1日2回以上、1分でも5分でも、リラックスできたと感じる長さで続ける。


•食…食事療法(玄米菜食など)
東洋医学では食が体をつくる。重要視するのは排泄。便秘の解消につながる食事が基本。
●玄米や胚芽米、麦など(精白されていない穀物)を主食とし、緑黄色野菜や豆類・キノコ類・海草を中心として、味噌・しょうゆ・納豆などの発酵食品を組み合わせた食事内容で。体質を改善するのに向いているたんぱく質は、納豆、大豆、豆腐、魚やシジミなどの貝類から摂る。「一物全体(丸ごと食べる)」と「旬の物を食べる」ことも重要


●体…ビワの葉温灸、スワイショウ(中国式体操)、マッサージ、気功東洋的な運動、「動」的な養生の目的は、毛細血管や静脈からスムースに心臓に戻すこと、多くの二酸化炭素を吐き出すことです。つまり「環流と排泄」を重視。

「静」的なものとしては、皮膚やツボを通して体に刺激を与えること。「ビワの葉」を組み合わせることで、血液浄化作用、鎮痛作用の効果。
太極拳
気功
ヨガ
西式健康法
操体法 など

鍼灸(ツボ刺激)
指圧
あんま
温泉浴、足浴 など

●心…瞑想など
自然治癒力を発揮するためには、潜在意識(無意識)という土を豊かにすることが重要。「療養の樹」が花咲き、実をつけるためには、豊かな土に心という根をしっかり張ることが必要。潜在意識から得た栄養が、心を通って、体・食・息という幹を太くする。そうしてはじめて、「治療」の結果が出る。

自分自身の体と心、魂の存在や、それらの相互作用のしくみを理解するために行う。外部からの邪魔を受けない空間を用意し、静かに座って、浄化をイメージし、吐く息の長い呼吸をして心を落ち着ける。1日1~2回、1回あたり15~20分が適当。歩きながら行う「ウォーキングメディテーション」もあり。
ほかにも…
カウンセリング
アートセラピー(陶芸など)
笑いセラピー
自律訓練法
祈り
サイコセラピー
カラーセラピー
ミュージックセラピー
座禅
内観
写経
書道、華道、茶道、香道 など
[PR]
by ogawakeiichi | 2012-08-21 13:01 | 身体性

南日本新聞「彩遊記」最終回

オリンピックも宴たけなわ。鍛錬を積んだ選手の健康体が眩しい。なかには病を乗り越えメダルを勝ち取った選手もいて、共振する郷愁が胸に去来する。

わたしは17歳のとき、原因がはっきりしないネフローゼ症候群という難病にかかり入院した。ずいぶん前のことだが、鮮明に記憶にのこっている。

不意に襲いかかった病には投薬も効果がなく、症状はジリジリと不気味に進行していき、発病3ヵ月後には顔がパンパンに浮腫んでからだも全く動けなくなった。 

朝、目が覚めてもまぶたを開くことができない。なにぶん真っ暗闇で脱出不能の森に迷い込んだような精神状態だったことを思い出す。

当時はこれといった薬もなく、食事療法と絶対安静が一番と言われ、塩気の無い味気ない食事を食べ、浮腫んだ顔とからだでベッドに横たわり天井を見つめる生活が1年続く。

高校生活も留年になり上下関係の厳しい剣道部の後輩たちと同級生になってしまった。しかし、はじめはぎこちなかった関係も、現在も付き合う大切な友人へとなっていく。

「運動は再発の可能性があります」と主治医に剣道を止められ、ひょんなことから美術部へと入ることになる。そのことが今の仕事へと繋がっていく。

しかし、爆弾を抱えたような壊れやすいからだに注意しながら過ごしたはずなのに、2年後、恐れていた病が再発。わたしにも家族にも半端じゃない喪失感が襲ってきた。心身共に苦しみ疲れ、不治の病の恐怖から、ついに我が人生終わりかなとも思った。

しかし、幸運にもこのときばかりは薬が効いた。思いがけない早期回復。

世の中は、何が起こるかわからない。複雑で混沌としたカオスの状態。今日がだめでも、明日はわからないことを知る。

振り返れば、楽しいはずの十代後半は病との闘いだった。

大病、会社の倒産、監獄にぶち込まれる経験をすると大人物になるという。

私は残念ながら、大人物にはなれなかったが、大病以来、身体と精神に関しては人一倍の触手が動く。

完治後は、インドを彷徨し、呼吸法や禅をかじった。

完治の確認と身体の可能性を知りたくで、フルトライアスロンにチャレンジしてみた。

激動の中国では水墨画、太極拳をやりながら10年を過ごした。

思いがけない不条理な出来事が降りかかったとしても、恐れることはない。

不意打ちの事態にあい、その渦中にあっては身動きできない状態であっても、その人の抱く思いの強さのベクトルと、彼方からやってくる偶然との出会いによって未来が構成されているのではと思うようになってきた。

思春期を襲った難病の体験は、わたしの人生観や価値観に大きな影響を与えたことは間違いない。

「よせてはかえし」「かわるがわる」で、人生のポジとネガはいつもひっくり返っていく途上にいる。
[PR]
by ogawakeiichi | 2012-08-06 05:28 | 南日本新聞コラム